大浦坑遺址

　三井港倶楽部の敷地内に建てられている大浦坑の顕彰碑です。大浦坑は藩政期から採掘されていた坑口ですが、近代化初期の最大坑口として大いに活躍しました。現在、大浦坑跡は廃棄物最終処分場となっており、見る影もありませんが、かつては大浦谷の丘陵斜面から斜坑が掘られていたものです。この顕彰碑は、主力坑としての使命を終えた大浦坑を称えるために同坑にあった油倉庫のれんがの一部を持ってきてつくられたものです。「大浦坑遺址」の題字の脇には「大正十五年二月／團琢磨題」と刻されており、團琢磨が揮毫したものと思われるのですが、團伊玖磨氏は否定されていました。曰く「琢磨は少年期から米国留学して向こうで教育を受けてきたんだから、こんなに日本の文字を上手く書ける筈がない。」とのことでした。何となく説得力のあるお言葉です。