三川坑坑内に入坑あそばされた昭和天皇
| 昭和２４年、三池炭鉱三川坑にご巡幸あそばされた昭和天皇におかれては、もったいなくも坑内に御入坑になり、終戦後のわが国の経済復興を担うべき三池の石炭の生産状況をつぶさに御覧になられた。この時、実際の切羽（きりは＝石炭の採掘現場）に到達する手前のより安全な場所に切羽風の場所をしつらえて、陛下に模擬的に石炭採掘の作業を体験していただいたということである。三井鉱山では、その場所を「天皇切羽」と呼んで長く大切にされていたとのことであるが、三池炭鉱閉山後、三川坑も閉坑され残念ながら今日ではその場所も保存されてはいない。最早、昭和は遠くなりにけり…か。 |